前回のスリップリングの豆知識⑧(あなたのまわりにある身近なスリップリング)では、パチンコ、監視カメラ(防犯カメラ)、メリーゴーランド、観覧車といった皆様の身の回りにあるスリップリングの採用事例をご紹介させて頂きました。
今回は「半導体製造装置におけるスリップリングの採用事例」についてご紹介いたします。
>>「スリップリングの形状~スリップリングの豆知識①~」はこちら
>>「スリップリングの接点方式~スリップリングの豆知識②~」はこちら
>>「スリップリングの回転数~スリップリングの豆知識③~」はこちら
>>「信号系もパワー系も電送できるスリップリング~スリップリングの豆知識④~」はこちら
>>「大電流や高電圧の要求仕様にも対応可能なスリップリング~スリップリングの豆知識⑤~」はこちら
>>「回転電送に必要な通信プロトコルに対応したスリップリング~スリップリングの豆知識⑥~」はこちら
一言で半導体製造装置といっても半導体の製造工程ごとに様々な種類の装置があります。例えば、シリコンインゴットの引き上げ、切断、ウエハーの研磨、酸化、パターン形成、エッチング、平坦化などのそれぞれの工程の内容に特化した半導体製造装置があります。実は、こういった様々な工程で活躍する半導体製造装置にもスリップリングはたくさん使われています。
では、半導体製造装置のどういったところでスリップリングは使用されているのでしょうか?
あくまでも採用事例の一例にはなりますが、半導体製造装置にあるヒーター電源、温度センサー、エンコーダー信号、モーター電源、RF電源、CCリンク、メカトロリンク、イーサーネットといったところでスリップリングが使用されています。
これらのスリップリングを半導体製造装置で採用するためには、仕様や寸法といったいくつかの要求事項をクリアする必要がありますが、特に最近では以下3点がますます重要になっています。
まずはじめに、長寿命タイプのスリップリングであることであります。スリップリングは半導体製造装置の中心部分に取り付くケースが多く、簡単に交換やメンテナンスが出来ないため長寿命タイプであることが重要であります。
次に、低発塵タイプのスリップリングであることであります。皆さんもご存知の通り、半導体はクリーンルームの環境内で製造されています。出来るだけ発塵の少ないスリップリングが半導体製造現場では特に必要とされています。
そして、高い接触信頼性をもったスリップリングであります。パワーにおいても、信号においても回転中に通電が途切れることなく伝送し続けられるスリップリングが必要とされています。
産業用コネクタ&コンポーネンツでは半導体製造装置向けの長寿命・低発塵・高信頼性スリップリングも取り扱っており、ご要求仕様に対応した最適なスリップリングを常にご提案させて頂きます。
次回「スリップリングの豆知識」のテーマは、カメラ雲台へのスリップリング採用事例 です。
次回のスリップリングの豆知識もご期待下さい。