産業用コネクタ&コンポーネンツがご紹介する大電流コネクタ/電源コネクタは、銅合金製のスプリング特性のある特殊な形状を持つ多面接触方式接点を採用しています。
この多面接触方式接点をコネクタ本体のプラグ外側もしくはソケット内側に装着することにより、銅合金製のスプリング特性を利用し、接触圧を長期安定させ接触抵抗を最小限に抑えることで、非常に高い通電性能を生み出すことを可能にしています。
この多面接触方式接点を“マルチラム”と呼び、それを2つの導体の間に装着しコンタクトブリッジを形成させます。このマルチラムの接触技術の信頼性は世界中で認められており、例えば電気的条件(数kA)、温度条件(350℃まで)、機械的条件(着脱回数100万回)といった過酷な条件に対する問題解決が可能となります。
*「マルチラム」は「マルチラムバンド」とも呼ばれることもありますが、産業用コネクタ&コンポーネンツが紹介する多面接触方式接点の正式名称は「マルチラム」です。
マルチラムには以下の7つの特長があります。
1.他のコンタクト方式より、小型で大電流を通電することが可能
2.接触抵抗が非常に小さいため温度上昇を抑えることが可能
3.また、通電性が安定しているため計測信頼性が向上
4.スライドコンタクト(摺動接続)、ロータリーコンタクト(回転接続)等の可動状態での通電が可能
5.短絡電流に非常に強い
6.超大電流の接続が可能(数10万A)
7.高耐久性 着脱回数100万回、使用温度350℃まで
こちらは、ある製鉄所内の現場で発熱と通電不良を解消した事例です。
こちらの製鉄所内の現場では、そのブスバー(板状の導体)同士の接続箇所での発熱や通電不良が以前より問題になっていました。特に発熱については、ブスバー接続箇所が通電により200℃以上になり火災等の災害リスクがあり、それを改善する必要がありました。
そこで発熱や接触抵抗を抑えられる、マルチラムと同じ技術を採用したシールコンタクトというブスバー接続用エレメントを現場で評価トライしてみました。するとトライ開始から1~2週間で、現場での周囲温度は約60℃と一定にも関わらず、ブスバー接続箇所の温度が当初の272℃から82℃まで抑えることができました。
こちらは、ある自動車工場の溶接ラインで通電不良を解決した事例です。
こちらの自動車工場で活用していた溶接ロボットには関節部分が6か所あり、3か所をコネクタで接続していました。しかし、コネクタの接続不良による通電不良が起こってしまっていました。そこで接点の接圧を一定にできる、マルチラムを採用したバネコネクタを導入。導入後は通電不良がまったくなくなりました。
こちらは、ある製鉄所で大電流コネクタ(電源コネクタ)を導入し、生産性が向上した事例です。
こちらの製鉄所で使用していた電磁誘導撹拌装置は、給電箇所を端子台でネジ接続を行なっていました。しかし、切替え作業に半日がかりになってしまうことが問題となり、作業者の負担軽減のためコネクタ化することになりました。過酷な使用環境(温度80℃以上、湿度70~80%)で大電流(700~1000A)を通電させる必要があることから、マルチラムを採用した、大電流コネクタを導入。一般的なコネクタより大幅に小型、軽量化することができました。
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今回は、マルチラムについてご紹介しました。
産業用コネクタ&コンポーネンツを運営する丸紅エレネクストでは、海外と国内の技術と実績のあるコネクタの専門メーカーと密接な協業体制を築いています。そうした協業体制を基に、製品の仕入れから販売、販売後のサポートまで手厚く行うことで、自動車業界、半導体業界、宇宙業界まで幅広くのお客様と取引をおこなっています。
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