こちらの記事では、大電流コネクタや複合コネクタには欠かすことができない重要な要素であるコネクタの電気抵抗(接触抵抗含む)と挿抜力の関係についての話をいたします。
前回のコラムでは、「コネクタの接触抵抗」がテーマで、出来るだけ低い電気抵抗(=低接触抵抗)であることが重要な要素であるという話をいたしました。少しおさらいすると、接触抵抗とは「接点や端子間など、導体同士の接続箇所で発生する抵抗」のことで、接触抵抗が増大する主な要因として、「1.接続部の酸化・汚れ」、「2.接圧の低下」、「3.接触面積の低下」があるということでした。
では単純に、接圧(接触圧力)や接触面積を大きくすれば、大電流通電が実現出来るのではと考える方もみえると思いますが、そう簡単にはいきません。
一部のボルト締結タイプの接続を除くと、一般的に低接触抵抗とコネクタ挿抜力はトレードオフの関係にあり、一方を向上させると、他方が悪化するという関係にあります。すなわち、低接触抵抗であるほど(接圧と接触面積が大きくなるほど)、コネクタ挿抜力が高くなってしまいます。そうなると、コネクタ嵌合時、作業者の大きな負担になってしまうので、大電流は通電出来るが扱いづらいコネクタになってしまいます。
逆に、作業性を考慮し、コネクタ挿抜力を低くする為に、接圧や接触面積を小さくすると、接触抵抗が高くなり、異常発熱する可能性が高まります。 従って、両者のトレードオフを最小限に抑えることが重要になります。
ストーブリエレクトリカルコネクターズ社の独自技術である「マルチラム」は、多面接触方式を採用しているので、低接触抵抗と低挿抜力を実現しています。この独自技術を基に、大電流コネクタや複合コネクタ等、様々な製品展開をしています。
産業用コネクタ&コンポーネンツを運営する丸紅エレネクストでは、海外と国内の技術と実績のあるコネクタの専門メーカーと密接な協業体制を築いています。そうした協業体制を基に、製品の仕入れから販売、販売後のサポートまで手厚く行うことで、自動車業界、半導体業界、宇宙業界まで幅広くのお客様と取引をおこなっています。
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