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コネクタの許容電流と、減少係数

コネクタの許容電流と、減少係数

今回は、大電流コネクタや複合コネクタのような大電流を通電する前の机上検討時に欠かすことができない「減少係数」についての話をしていきたいと思います。

 

「コネクタの許容電流と、ディレーティングカーブ」というコラムの中では、ディレーティングカーブのグラフの見方や注意点についての話をしました。

 

ディレーティングカーブでは電線の本数が増えたり、周囲温度が上昇すると、許容電流が低下する特性があることをご説明いたしましたが、今回は前者の、なぜ電線の本数が増えると、許容電流が低下するのか、少し深掘りしていきたいと思います。

電線の許容電流とは

電線の許容電流とは、安全に通電出来る最大電流値となります。この値を超えると、電線の温度が耐熱温度を超えてしまい、絶縁被覆の劣化による絶縁不良や割れ等が発生し、結果として感電や発火・発煙の原因となります。

 

特に多芯ケーブル(キャブタイヤケーブル)を使用する場合や電線を束ねて配線する場合は、放熱されにくいので、注意が必要です。

多芯ケーブルとは複数の電線が一つのケーブル内に集約されている構造になります。このため、1本の電線の場合よりも、放熱しにくく内部に熱がこもりやすいので、温度上昇しやすい構造となります。そこで、今回の「減少係数」を考慮することが重要となります。

 

ドイツのDIN0298-4規格によると、電線配置と本数による減少係数が下表のように規定されています。許容電流における減少係数とは、電線配置や本数によって、許容電流がどれだけ減少するかを示す比率のことです。減少係数はこの低下率を数値で表したもので、通常は1未満の値になります。

 

具体的には、電線が1本のときの許容電流を基準(1.0)とし、電線の配置や本数が増加すると、減少係数が低下し、結果、許容電流も小さくなります。

例えば、電線1本あたりの許容電流が10Aで、3本の場合の減少係数が0.7の場合、電線1本あたりの許容電流は7Aとなります。電線の本数が同じ3本でも、電線の配置によって、減少係数が0.7や、0.79、0.9になる場合があるので、実際の配線に近い絵の減少係数を参考とすることで、より実態に近い形での減少係数を確認することができるでしょう。

 

ここでひとつクイズを出してみたいと思います。

 

問題:次のうち、減少係数に影響を与える要因はどれでしょうか?(複数回答可)

A:電線の配置

B:電線の本数

C:電線の太さ

 

正解は、下にスクロールをするとあります。
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答えは、A)電線の配置と、B) 電線の本数 になります。電線の配置によって、減少係数が異なります。また電線の本数が増えるほど、放熱しにくくなり、減少係数も低下します。

 

いかがだったでしょうか? クイズは正解できたでしょうか?通常、電線のカタログに記載されているのは、電線1本あたりの許容電流値となりますが、実際の配線では複数の電線を使用することが多いと思いますので、今回のコラムが参考になれば幸いです。

 

ストーブリエレクトリカルコネクターズ社の大電流コネクタ複合コネクタは、ディレーティングカーブをカタログに記載している製品もあるので、是非ご覧ください。

 

産業用コネクタ&コンポーネンツを運営する丸紅エレネクストでは、海外と国内の技術と実績のあるコネクタの専門メーカーと密接な協業体制を築いています。そうした協業体制を基に、製品の仕入れから販売、販売後のサポートまで手厚く行うことで、自動車業界、半導体業界、宇宙業界まで幅広くのお客様と取引をおこなっています。

 

「大電流コネクタを探している」、「作業性が良いコネクタを探している」といったご要望がありましたら、産業用コネクタ&コンポーネンツまでお気軽にご相談ください。

 

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