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高周波ノイズ対策のシールドについて

高周波ノイズ対策のシールドについて

「高周波の基礎」「高周波設計に不可欠な基礎知識と実用対策」に引き続き、今回も高周波について説明いたします。

シールドとは

シールドとは、電気・電子機器などの対象物を導電体で囲い、電磁波を遮蔽することを指します。シールドの目的は主に次の2つです。 内部から放射されるノイズを抑制する。 外部から侵入するノイズを遮断する。

シールドの基本

電子機器を金属筐体に収納すると、その金属面が電磁波を反射/吸収し、内部のノイズが外部へ、外部のノイズが内部へ透過しにくくなります。ただし筐体に開口部があると、その部分から漏れてしまい、シールドの性能(EMC)が低下します。とりわけ信号の出入口であるコネクタとケーブルはシールドの最も弱い箇所になりやすいため注意が必要です。


シールドが不十分ですと、ノイズを受ける、もしくは与えることで電子機器の誤動作や故障の原因になります。また一般的に周波数が高くなる(高周波)ほどノイズは放射されやすくなるため高いシールド性能が必要になります。高周波については「高周波の基礎」で詳細をぜひご確認ください。

EMC(Electro-Magnetic Compatibility:電磁両立性)

周辺機器に妨害を与えず、かつ外部ノイズにも耐える(EMIとEMS両方を含む)総合的な性能のこと。

EMI(Electro-Magnetic Interference:電磁妨害)

周辺機器へ与える妨害(放射・伝導ノイズ)のこと。

EMS(Electro-Magnetic Susceptibility:電磁感受性)

外部ノイズに対する耐性のこと。

コネクタとケーブルのシールドについて

基本的にシールドはコネクタとケーブルどちらか一方ではシールドの連続性が絶たれてしまい、十分な効果が得られません。シールドは途中で途切れないように電気的に連続させることが重要です。

せっかくコネクタ、ケーブルをシールドタイプにしても、設備の接地が不十分だったり、防水が必要な際に使われるガスケットが導電性でなかったりするとシールド性能を落とす可能性があります。

シールド対応製品として、コネクタはボディを金属シェルなどで囲ったもの、ケーブルは導体を細い金属線を編み込んだ編組線で覆う編組シールドやアルミ、銅箔などで覆う箔シールドなどがあります。

またコネクタとケーブルのシールドの構成にも様々あります。例えば、金属シェルのコネクタにシールド編組チューブを被せ、メタルバンドなどで止めるシンプルな方法などがあります。(下記の左図)

防水が必要なときは、防水とシールドに対応したコネクタにシールドケーブルを用いる方法があります。特にコネクタ内部にケーブルのシールド線を挟み込む機構やスプリング等で接触させる機構の場合は、適合サイズなどに注意する必要があります。(下記の右図)

防水については「ケーブルエントリ部における防水」で詳細をぜひご確認ください。

加えてシールドはコネクタのボディだけではなく、コンタクトに落とす方法もありますが、この場合はコネクタ外周についてはシールドがされません。

大電流ラインでの活用

シールドはよく通信ラインで用いられますが、電波暗室内などで使用する電源やインバータなどの大電流ラインでも用いられます。電源などは自らノイズを発生し、その他の機器の機能や測定結果などに影響を及ぼすことがあります。

まとめ

シールドは「金属で囲む」というシンプルな発想ではありますが、検討の際には気を付ける点が多くあります。またシールドは通信品質の向上だけでなく、装置全体のEMC・計測精度・安全性などに影響する重要な技術であるといえるでしょう。

産業用コネクタ&コンポーネンツでは大電流に対応したシールドコネクタや柔軟性の高いシールドケーブルを取り扱っています。

また多極コネクタや電源と流体を複合したコネクタなどのご提案も可能です。

>>コネクタやケーブルのシールドに関するお問合せはこちらから

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