

感電保護クラスは、電気機器の設計において、万が一内部の絶縁が破壊された場合にも使用者が感電しないよう、どのような保護措置が取られているかを分類したものです。IEC 61140(JIS C 0365)では、主にクラス0、クラスI、クラスII、クラスIIIの4つが定義されています。
先月の測定カテゴリとの違いについても少しおさらいしながら明確にしておきます。
・測定器を使う「環境や用途」に関する安全性を示す基準
測定する場所のエネルギーの大きさや過電圧(サージ)のリスクに対応した設計かどうかで分類される
主な種類
CAT 0:電子機器内部など、低エネルギー回路用
CAT II:家庭用コンセントや家電の一次側など
CAT III:分電盤、制御盤、工場の配線など
CAT IV:電柱、引込線、建物の入口など
>>「測定カテゴリ入門|間違えると危険!CATの選び方を実例で解説」はこちら
・電気機器自体の構造的な安全性を示す基準
絶縁の方法やアース(接地)の有無で分類される
主な種類
クラス0:基礎絶縁のみ
クラスI:アース付き(例:金属筐体でアース線が必要な機器)
クラスII:二重絶縁または強化絶縁(例:プラスチック筐体でアース不要な機器)
クラスIII:安全特別低電圧(SELV)で動作するもの(例:乾電池式の小型機器)
<特徴>
・基礎絶縁のみで感電を防止する構造。
・アース(接地)や二重絶縁、強化絶縁などの追加保護がない。
・万が一絶縁が破壊されると、筐体に電圧がかかり感電の危険性が高い。
・日本の家電製品の多くは、アース(接地)がないコンセントプラグが使われているのでクラス0機器となっている。
<特徴>
・基礎絶縁+保護接地(アース)による感電防止。
・基礎絶縁が破壊されても、金属筐体などの導電性部分がアースに接続されているため、
漏電時に電気が地面へ逃げ、感電リスクを低減。
<具体例>
・デスクトップパソコン、大型家電(冷蔵庫、洗濯機)、産業用機械など。
・アース端子付きの3ピンプラグが使われることが多い。
<特徴>
・二重絶縁または強化絶縁による感電防止。
・アース(接地)が不要。
・機器内部で基礎絶縁と付加絶縁、またはそれと同等の強化絶縁が施されており、絶縁破壊が起きても外部に
電気が漏れない構造。
<具体例>
・一般的な家電製品(掃除機、扇風機など)、コード付き電動工具、スマートフォンの充電器等。
・「二重四角」のマークが付いている。

<特徴>
・安全特別低電圧(SELV:Safety Extra-Low Voltage、通常50V以下)で動作。
・感電の危険がない電圧範囲で設計されているため、絶縁やアースによる追加保護が不要。
<具体例>
・バッテリー駆動の小型機器、LED照明、携帯機器など。
ここでひとつクイズを出してみたいと思います。
問題:あなたは電気機器の設計者です。 現在開発中のコード付き電動工具に接続するコネクタは、どの感電保護クラスに対応したコネクタを選定する必要がありますか?
正解は、下にスクロールをするとあります。
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答え
クラスⅡのコネクタの選定が必要。コード付き電動工具は、クラスⅡに分類されるため、それに接続されるコネクタも同クラスを選定する必要があります。
いかがだったでしょうか? クイズは正解できたでしょうか?
産業用コネクタ&コンポーネンツを運営する丸紅エレネクストでは、海外と国内の技術と実績のあるコネクタの専門メーカーと密接な協業体制を構築しています。そうした協業体制を基に、製品の仕入れから販売、販売後のサポートまで手厚く行うことで、自動車業界、半導体業界、宇宙業界まで幅広くのお客様と取引をおこなっています。ストーブリエレクトリカルコネクターズ社のTest & Measurelineでは、安全性が高いクラスⅡに対応したコネクタを幅広くラインナップしています
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