
産業用コネクタは、製造業や自動車、通信、エネルギー分野など幅広い業界で欠かせない存在です。近年は高電流対応や小型化、高信頼性などの要求がますます高まり、国内メーカー各社も独自の技術力を活かした製品を展開しています。
本記事では、日本を代表する5社の産業用コネクタメーカーについて、会社の特徴と代表的な製品シリーズを一覧でご紹介します。「産業用コネクタ 海外メーカー15社 製品一覧」とあわせて参考にしていただくことで、グローバルな視点から最適なコネクタ選定の一助となれば幸いです。
日本航空電子工業(JAE)は、精密コネクタや光エレクトロニクス製品に強みを持つ大手メーカーです。航空・宇宙分野から自動車、産業機器まで幅広く採用されており、高信頼性と小型化技術で世界的にも高い評価を得ています。
<代表的な産業用コネクタ製品>
・DXシリーズ:産業機器やロボット用途に適した多極コネクタ。堅牢なロック機構を備え、振動環境下でも安定した接続を実現。
・JL10シリーズ:防水型円形コネクタ。屋外設置機器や過酷環境に対応。
<同社サイト>
https://www.jae.com/
ヒロセ電機は、小型・高性能コネクタの開発に特化した国内大手メーカーで、モバイル機器から産業用機器まで幅広い分野で採用されています。特に高周波対応や高速伝送技術に強く、IoTや5G関連市場でも存在感を示しています。
<代表的な産業用コネクタ製品>
・IXシリーズ:産業イーサネット向けの小型高速コネクタ。堅牢かつ省スペース設計で、FA機器やネットワーク機器に最適。
・HR41シリーズ:高電流対応の防水丸型コネクタ。充電設備や電源用途で活躍。
<製品関連コラム>
・高速伝送(通信)コネクタ「IXコネクタ」が切り拓く高速伝送の未来 ― 産業用コネクタの新たな標準へ
<同社サイト>
https://www.hirose.com/product
日本端子は、自動車用電装品やワイヤーハーネス向け端子で高いシェアを誇るメーカーです。近年はEVやHEV向けの高電流コネクタの開発にも注力しており、車載分野における信頼性と安全性で評価されています。
<代表的な産業用コネクタ製品>
・大電流コネクタシリーズ:EV向け電池やモーターに対応した高電流仕様。低発熱設計で安全性を確保。
・圧着端子シリーズ:産業機器用としても利用される各種圧着端子製品群。
<同社サイト>
https://www.nippon-tanshi.com/
イリソ電子工業は、基板対基板コネクタに強みを持つメーカーで、特に自動車分野で高い採用実績を誇ります。耐熱性・耐振動性に優れ、車載エレクトロニクスや産業機器の信頼性を支えています。
<代表的な産業用コネクタ製品>
・10133シリーズ:基板対基板接続用の小型高信頼コネクタ。振動対策設計を採用。
・11021シリーズ:パワートレインやECUに対応した耐熱コネクタ。
<同社サイト>
https://www.irisoele.com/jp/
JAMは、端子台や圧着機器といったワイヤーハーネス関連製品で知られるメーカーです。産業機器分野でも豊富な端子・コネクタ製品を展開し、ハーネス加工機械と組み合わせることでトータルソリューションを提供しています。
<代表的な産業用コネクタ製品>
・リセプタクル・タブコネクタシリーズ:電線接続に適した信頼性の高い端子製品。
・電線対基板コネクタシリーズ:制御盤や各種産業機器に採用。
<同社サイト>
https://jam-net.co.jp/
今回ご紹介した5社は、それぞれ独自の強みを持ち、産業用コネクタ市場で重要な役割を果たしています。
・JAE・ヒロセ電機:小型・高性能分野での強み
・日本端子・イリソ電子工業:車載・高信頼性分野での強み
・JAM:端子・ハーネス関連製品に特化
産業用コネクタを選定する際には、使用環境(振動・温度・湿度)、必要な電流容量、伝送速度、メンテナンス性などを総合的に考慮する必要があります。国内メーカーは、品質面やサポート体制で強みを持っており、安心して採用できるのも大きなメリットです。
今後もメーカー各社の技術革新に注目し、最適な産業用コネクタの選定に役立ててください。