水中コネクタの選び方｜材質・取付方式・接続環境・主要メーカーについて

水中コネクタの材質、取付け方式、接続環境別

1）材質

ゴムモールド水中コネクタ

コネクタとケーブルをゴム素材で一体成型し、防水性や耐久性を高めたコネクタです。
一例として、コネクタ本体材にクロロプレンゴムを使用し、合成ゴムのケーブルと一体成型することにより、防水・水中コネクタの不具合事例の多い、コネクタケーブル間での接続部分での水漏れが解消されます。

メタル材質水中コネクタ

コネクタの本体材質が金属であり、プラスチック製などと違い強度が強く耐久性のあるコネクタです。材質の種類は、マリンブロンズ、チタン、ステンレス鋼などがあり、ユーザーのご使用環境に依り選定可能です。
水圧がかかる水中においてその機器を維持するため、耐水圧容器が使用されます。この容器間の信号接続などにコネクタを使用する場合は、基本的には容器材質に合わせてコネクタ材質を選定いたします。

2）取付け方式

ねじ込み式コネクタ

高耐圧に強く、確実に固定

バイオネット式コネクタ

簡単に接続可能で、密閉性が高い

プッシュプル式コネクタ

素早く着脱可能な機械式

3）接続環境別

ドライメイト

接続は気中で行い、水中で使用。

ウエットメイト

水中での接続および切断が可能。

水中コネクタの代表的なメーカー一覧

1）GISMA社（ドイツ）

GISMA社のシリーズ10は、高電圧（6.6㎸）・高耐水圧（800bar/試験）仕様の水中コネクタです。コネクタの嵌合部には2重のシール（コニカルシールとリップシール）で高気密性を保持しており、オープンフェイスでの水密構造となります。

同社のシリーズ80は、ウエットメイト用水中コネクタです。極めて高信頼性が要求されるROVや水中ロボット向けに使用される水中着脱可能なコネクタです。
電気は信号、同軸、高電圧コンタクトがあり、光ファイバーコンタクトと合わせてハイブリッド仕様での提供も可能です。
高耐水圧（600bar/試験）仕様になっており、世界の深海域でも使用可能です。
深海域での検査や作業は、ダイバーでは限界があり水中ロボットの活用が増えています。
そして、その水中ロボットを活用し深海にある機材の電源や信号接続に同社のシリーズ80が活用されています。
最近では、世界の通信網として欠かすことのできない海底ケーブルや海底から生産された石油や天然ガスを陸上の施設に輸送するために使用される海底パイプラインの検査向けへのご引き合いも増えております。

2）LEMO社（スイス）

LEMO社の水中コネクタは水深600m（嵌合時）まで対応し、高い耐水圧性能を持つため、深海や高圧環境での使用において最適です。

最大64極のコンタクトピンや、同軸、光、熱電対、流体など異種ピンを組み合わせることができ、多様な接続ニーズに対応可能です。これにより、複雑なシステムや多様なデバイスの接続が一つのコネクタで実現でき、設計の柔軟性が向上します。

気密/真空ソケットには封止剤が充填されており、ケーブルが破断した場合でも水が装置内部への浸入を防止します。これにより、機器の内部浸水による故障や損傷を防ぎ、長期的な信頼性と安全性を確保します。

3)MacArtney社（デンマーク）

MacArtney製のSubConnシリーズはゴムモールドの水中コネクタです。
ゴムモールド構造の為柔軟性があり、海水中でも腐食しにくい金メッキコンタクトが標準で使用されています。

Circular（丸形）、Low Profile（薄型）、Power（電源）、Coax（同軸）、Ethernet（通信）シリーズが標準仕様でラインナップされており、このたび新たにNano（小型）シリーズが追加され、このことによりチタンシェルハウジングによる省スペース・軽量化を実現しました。

▼省スペース・軽量化を実現したSubConn Nanoシリーズ（ø12.7 mm、300v/3A）▼

産業用コネクタ＆コンポーネンツでは水中や海中で使用可能な水中コネクタを幅広く取り扱っています。

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