世界の産業を支える防水コネクタとは

コネクタ嵌合時や防水キャップ装着時に防水機能を兼ね備えたコネクタのことを防水コネクタと呼びます。こちらでは、屋外や水の影響を受ける工場内において、多くの設備や装置に使用されている防水コネクタをご紹介いたします。

防水コネクタとは

防水コネクタとは、コネクタ嵌合時や防水キャップ装着時に防水機能を兼ね備えたコネクタのことです。この防水コネクタはコネクタ本体が防水構造になっており、ケーブルアッセンブリ箇所もケーブルグランド等により防水機能を維持し、屋外や水の影響を受ける工場内において、多くの設備や装置に使用されています。

防水コネクタを選定するうえで参考にしたいのが、防水コネクタの構造を客観的に国際評価した防塵・防水の保護等級であるIP（Ingress Protection）等級です。

IP等級とは、国際電気基準会議のIEC規格（IEC60529）で規定されている機器の防塵・防水に関する保護を規格化したものです。産業用で使用されている防水コネクタの多くがIP65～IP68の保護等級に該当します。IP等級の数字については、10の位にある6の数字は防塵能力に関して、1の位の5～8の数字については防水能力に関して、その性能を示しています。

例えば、保護等級IP65であれば、防塵に関しては「粉塵が内部に侵入しない（耐塵形）」、防水に関しては「いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響をうけない（噴流水に対する保護）」となります。

防水コネクタの製品カタログにはこれらのIP等級の記載があるので、防水コネクタを選定する際は使用する環境を考慮し必要となるIP等級を確認する必要があります。

防水コネクタの紹介

衝撃・振動に強いワンタッチカップリング防水コネクタ

ワンタッチカップリング防水コネクタは、保護等級IP68相当の高い防水性（水深10m、数時間保持）と防塵性の機能を持っています。これらはアメリカの軍事規格であるMIL-DTL-5015をベースとし、NATOの軍事規格VG95234にも準拠しており、振動（20G）、衝撃（50G）に強く、高耐久性（機械的嵌合寿命2,000回）といった過酷な環境下でも使用できるよう設計されています。

そのため、嵌合の確実性・迅速性を要求されるプレスや溶接といった自動車生産ラインや、鉄鋼設備、鉄道車両、照明機器、音響機器、土木・建設機器、航空防衛等の幅広い分野で採用されています。

実際に過酷な屋外の使用箇所において5年以上ノーメンテナンスで稼働できている事例もあります。

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小型防水コネクタ

小型防水コネクタは保護等級IP67、IP69Kに対応しており、M8からM40までのサイズがあり、信号からパワー用、EMC対応、高速通信対応、各種BUSシステム対応など様々なタイプがあります。これらはアメリカ保険業者安全試験所が策定する製品安全規格であるUL規格に準拠し、またドイツのVDEインスティテュートが策定する電気製品の安全規格であるVDE規格にも対応しており、世界中のサーボモータ、エンコーダー、フィールドバスシステム、ロボット、光電センサ、工作機械、車両機器等に幅広く採用されています。

防水仕様の大電流コネクタ

バイヨネットロック式の単極コネクタは保護等級IP65で定格1000Aまで対応しており、電源車、非常電源、電力機器、太陽光発電システム、車両、鉄鋼設備、溶接機、各種製造設備、検査試験装置、実験・研究設備等に採用されています。

また、オートマチック用コネクタは保護等級IP67で定格223Aまで対応しており、スポット溶接機の一次回路用コネクタとして、自動車生産ラインの溶接ロボット、溶接ガン、ドレスパック、周波数変換機、ツールチェンジャー等で多く使用されています。

複合コネクタ

その他、用途に合わせて電気、通信、光ファイバー、エア、冷却水等を自由に最適な組合せが可能な複合コネクタでは、防水対応のハウジング付を選択することにより保護等級IP65にも対応が可能です。これらは大型コンピュータ、交換機、放送用機器、通信機器、医療機器、ロボット、UPS、整流器、電源機器、治具交換、金型交換、FA機器等に採用されています。