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流体ロータリージョイントの取り扱い・不具合モード等について

流体ロータリージョイントの取り扱い・不具合モード等について

流体ロータリージョイントの生命線は、ずばり回転シールです。

 

一般に動的シールには、ロータリーシール(回転シール)とピストンシールがあります。いずれのシールも相対的に動く固体間に装着され、対象流体を封入(シール)する機能が求められます。いかなるシールでも程度の差こそあれ、流体はリークします(漏れます)。流体ロータリージョイントの最大の使命は、回転時静止時いずれの状態においても可能な限り、流体リーク(漏れ)を最小限に少なくすることです。

 

本記事では流体ロータリージョイントの主要不具合の流体リークが増えるモード・要因、そしてその防止対策について、説明いたします。

汚染粒子がシール境界に挟まり、リークパスが成生される

流体あるいは流路配管中に異物、汚染粒子が存在する場合、シール境界に挟まりリークパスが成生され、リーク量が増加することがあります。

そのため、流体回路セットアップ前に流体が触れる配管内、回路部品、すべての洗浄を実施し、かつ適切な流体フィルターを回路中に設けることが必要となります。

シール材質とベース(地金)材質の摩耗

シールは使用時間とともに摩耗してしまいますが、一番の問題は流体回路中の微粒子です。

流体回路中にはフィルターで除去できないレベルの微小粒子が存在します。この微粒子にはシール材質の摩耗以外にも流体回路中で生じた、あるいは存在していた金属微粒子なども含まれています。これらの微粒子がシールとベース(地金)の間に挟まり「研磨作用」により摩耗を促進させます。この場合、シールを摩耗させるばかりでなくシールと接触しているベース(地金)材質も摩耗させます。

さらにベース材質の摩耗微粒子が自らのベース材質の摩耗を促進するという悪循環につながります。この悪循環においては、シール材質とベース(地金)材質の摩耗進行が早まり、リーク量は加速度的に増加します。この状態を放置すると、回転シールのみならずベースそのもの、すなわち流体ロータリージョイントの本体(例えばシャフト)を交換する事態になります。

この悪循環を防止するには、フィルターの適切な選定(フィルタリング性能)と交換、流体清浄度管理、流体回路洗浄を定期的に実施することがとても重要となります。

回転シールによるベース材質摩耗防止対策のひとつに、ベース材質のシール接触部を含めた表面を耐摩耗性の高い硬質表面処理する手立ても考えられますが、高価なものとなります。また、流体として乾燥気体、例えば乾燥空気の用途の場合、回転シールの寿命は湿潤気体・流体の用途に比べて格段に短くなることも注意を払う必要があります。乾燥気体を用いた場合、回転シール部の摩擦が高くなり摩耗のスピードが速くなります。回転スピードが高い用途の場合、更に回転シールの摩擦熱による影響で回転シールが劣化して寿命を縮めることになります。

外力の流体ロータリージョイントへの作用

外力が流体ロータリージョイントに作用すると、外力の作用部位によっては当該ユニットのベアリングやシールへの負荷となり摩耗促進・リーク(漏れ量)増加につながります。更に長期的には、ベアリング及びシールの寿命に悪影響を及ぼす要因となります。

注意すべきポイントは、流体ロータリージョイントの回転境界及び回転軸(シャフト)に作用する外力を極力最小として、ラジアル(回転軸に垂直)方向並びにスラスト(回転軸に平行)方向の各外力成分が可能な限り小さくなるように、取り付け・使用方法を考慮することが必要です。

リークした流体のロータリージョイント外部周辺への漏出

用途によっては、リークした(漏れた)流体をロータリージョイント外部周辺に漏出させないようにしなければならないことがあります。

このような要求に対しては、リークコレクション(漏れ流体回収)機構の適用があります。リークコレクション(漏れ流体回収)は、流体ロータリージョイントの各流体パスの回転シールからのリーク流体を専用に設けたリークドレイン(漏れ流体排出)パスに導く機構になります。

この機構のポイントは、流体ロータリージョイントのそれぞれの回転シールから漏れ出た流体を外部に漏らさないようにシール(これは静的シール)して、更にドレイン(外部排出)専用に設けた流体パスに各回転シールから漏れた流体が導かれるように個々にバイパスを備えていることです。

リークコレクション機構により回収された漏れ流体の処置は、使用流体のリザーバータンクへ戻すなど、すべてユーザー様の意向、ユーザー様の当該システムオペレーション・メンテナンスの条件・管理に委ねられています。

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