高温の温調油の接続箇所において、液ダレがほとんどない温調用カップリング(カプラー)を採用し、作業者への火傷の懸念がなくると同時に、作業効率が大幅に向上した事例をご紹介いたします。
ある自動車メーカーの工場では、モータ絶縁部品の成型機と金型の150℃の温調油の配管接続箇所に産業用コネクタ&コンポーネンツで紹介されている切り離し時に液ダレがほとんどない温調用カップリング(カプラー)を採用しています。
この液ダレがほとんどない温調用カップリング(カプラー)を採用するまでは、高温油に対応した一般的な構造をしたカプラーを使用していましたが、金型交換時の配管接続箇所の切り離し箇所での作業では高温の温調油が外部に漏れ出てしまい作業者への火傷への懸念が常にありました。
またその作業では、外部に漏れ出た温調油をウエスで拭き取る必要もあり、もし外部に漏れ出た温調油をウエスで拭き取り切れなかった場合は、その残った温調油が常温にまで低下し固着してしまいます。その固着した油の塊が残った状態で再びカプラーを接続してしまうとカプラー内部のOリングを破損してしまい、カプラーのソケットとプラグが接続状態であったとしても、高温の温調油が外部に漏れ出てしまうといった不具合も発生していました。
そこで、産業用コネクタ&コンポーネンツを運営する丸紅エレネクストの担当者からこの切り離し時に液ダレがほとんどない温調用カップリングの提案を受けた時は、まずこれらの懸念事項が払拭できるかどうかを実際に実機でトライし確認する必要がありました。
現場にある110tクラスの成型機でおよそ1カ月間おこない、カップリング切り離し時の外部への液だれ状況とカップリング自体の操作性と寿命といった内容の確認をおこないました。その結果、現場作業者からの評判も非常によく、成形を15万ショット打っても全く問題なかったことから、80~180tクラスの全ての成型機と金型にこの切り離し時に液ダレがほとんどない温調用カップリング切り替えることを決めました。
また、この切り離し時に液ダレがほとんどない温調用カップリングを導入した結果、作業者への火傷の懸念がなくなったとともに、外部に漏れ出た温調油をウエスで拭き取る作業もほとんどなくなり、結果的に作業効率の向上も実現することが出来ました。