航空機エンジンをオーバーホールする工場において、カムロックの着脱を行う際に灯油が外部にこぼれてしまい、これらを拭き取る作業が毎回手間になっていました。また、エンジンの振動によりカムロックの接続部分からの液漏れやエア噛みがあったり、時にはカムロック自体が勝手に外れるという問題もあり、かねてからこれらを改善したいと考えていました。
航空機エンジンをオーバーホールする工場では、オーバーホールが完了したエンジンの試運転をおこなうテストベンチの工程があります。そこでは、エンジンが問題なく作動するかを確認するため、エンジンに灯油を給油し実際のエンジンの試運転のテストをおこないます。
これまで、エンジンに灯油を給油するところには、配管径50A(2インチ)用カムロックを使用していました。産業用コネクタ&コンポーネンツを運営する丸紅エレネクストの展示会で50A(2インチ)クラスのサイズでも着脱操作がワンタッチ式で、着脱時の外部への液もれや内部へのエア混入が極めて少ないというカップリング(カプラ)をみつけ、自社でも使えるかどうか検討してみることにしました。
実は、このカムロックの使用箇所では、エンジン試運転の前後にカムロックの着脱を行うのですが、その際に灯油が外部にこぼれてしまい、これらを拭き取る作業が毎回手間になっていました。また、エンジンの振動によりカムロックの接続部分からの液漏れやエア噛みがあったり、時にはカムロック自体が勝手に外れるという問題もあり、かねてからこれらを改善したいと考えていました。
実際に50A(2インチ)用の大口径ワンタッチカップリングを現場のオペレーターに触ってもらい評価したところ、カップリングのプラグ側(固定側)、ソケット側(可動側)にそれぞれシャットオフバルブが付いており、またそれそれの端面がフラットになっており、カップリング着脱時の外部への液もれを防ぐことができ、内部へのエアの混入量も極めて少ない結果でありました。
またこのワンタッチカップリングの本体はアルミ製でできており、軽量かつハンドルを回すだけの簡単な着脱操作であるにも関わらず、独自のロッキングシステム(バイヨネットロック)によりエンジンの振動によるカップリング接続箇所からの液もれやエア噛み、カップリング自体が勝手に外れるという不具合はおこらず、これまでの現場での問題は全て解決できるという結論に至り、採用することに決めました。