

機械装置メーカー各社において、「高電圧コネクタ」の選定は装置の安全性・保守性・コストに直結する重要テーマです。本記事では静電塗布装置向けに高電圧電源ユニットを多数展開する東日本にある機械装置メーカー様における高電圧コネクタの採用事例をご紹介します。既存設備の「端子止め」方式から高電圧コネクタによる着脱に変更することで、保守効率と安全性を大きく向上させた例として、同業他社様にも参考にしていただける内容です。
同社では、静電塗布装置向けに数十kVクラスの高電圧電源ユニットを搭載した装置を製造しています。
従来は、高電圧電源ユニットと装置側との接続を「端子止め」で行っており、以下のような課題が顕在化していました。
・高電圧電源ユニットの交換時に、毎回配線の脱着作業が必要で作業時間が長い
・端子部の締付けトルクや処理に作業者依存性があり、品質バラツキが発生しうる
・高電圧という特性上、わずかな配線ミスや処理不良でも放電・リークのリスクがある
・現場でのトラブルシューティング時、ユニット単位での切り分けに時間がかかる
これらの課題を解決するために、「高電圧電源ユニットの着脱箇所を高電圧コネクタによる着脱に簡素化したい」という明確なニーズが生まれました。
静電塗布装置向けという特性上、現場からは次のような要求仕様が提示されました。
・定格30kVクラスまで対応可能な高電圧コネクタであること
・ユニット交換の作業性向上を実現できるプラグ・レセプタクル構造
・製品ライフサイクルに応じて柔軟に台数を増減できるよう、MOQ(最小発注数量)制約が少ないこと
・機械装置メーカーとして他社装置との差別化につながる安全性と信頼性
これらを満たす「高電圧コネクタ」を求めて、同社では複数社の他社製コネクタと比較検討を行いました。
候補となった他社製高電圧コネクタには、以下のような問題がありました。
多くのコネクタメーカーは、汎用用途向けに10〜20kVクラスまでの高電圧コネクタは有しているものの、静電塗布装置で求められる30kVクラスまで確実にカバーするラインナップを持つメーカーは限られていました。その結果、定格電圧に余裕を持った設計ができず、長期信頼性や安全性への懸念が残る状況でした。
他社品では、高電圧コネクタという特殊部材であることを理由に、1ロットあたりのMOQが大きく設定されているケースが多く、機種ごとの生産台数変動に柔軟に対応することが困難でした。
・新機種の立ち上げ時に初期ロットを無駄に多く抱える必要がある
・仕様変更時やモデル終了時に在庫リスクを抱える
など、機械装置メーカーとしてコスト面・在庫管理面で大きな不安要素となっていました。
こうした中で同社が最終的に採用したのが、産業用コネクタ&コンポーネンツで取り扱っている高電圧コネクタです。
採用の決め手となったポイントは主に以下の2点です。
この高電圧コネクタは、静電塗布用途を含む高電圧環境向けに設計された専用シリーズであり、最大100kVクラスまで対応可能な製品ラインナップを有しています。適切な絶縁距離・沿面距離の確保、材料選定、内部構造の最適化により、高電圧環境での長期安定動作と安全性を実現しています。
これにより同社では静電塗布装置に求められる高電圧条件を十分に満たしたうえで、端子止めから高電圧コネクタへの移行を安心して行うことができました。
この高電圧コネクタは、MOQの厳しい縛りを設けず、少量からのご発注にも対応可能な供給体制を構築しています。
これにより同社は、
・新機種の試作・立ち上げ段階から必要数量のみを無駄なく調達
・受注変動が大きい機種にも柔軟に対応
・長期にわたる補用品供給にも安心して対応
といったメリットを享受し、在庫リスクと調達コストを抑えながら高電圧コネクタを標準採用することができました。
静電塗布装置の高電圧電源ユニットの着脱箇所を高電圧コネクタ化したことで、同社では次のような効果を得られています。
・ユニット交換作業の大幅な短縮
端子止め作業が不要となり、プラグ・レセプタクルの着脱のみでユニット交換が可能に。ライン停止時間の短縮に貢献しました。
・作業品質の安定化と安全性向上
端子処理や締付けトルクに依存しない構造となり、作業者スキルによるバラツキが減少。30kV対応の高電圧コネクタ採用により、リーク・放電リスク低減にもつながっています。
・在庫リスク低減とトータルコスト削減
MOQ制約がないため、機種別の生産計画に応じた最適ロットでの調達が可能となり、余剰在庫の削減に成功。結果として、トータルでのコストダウンにも寄与しています。
静電塗布装置をはじめ、半導体製造装置・検査装置・分析機器・医療機器など、高電圧を扱う機械装置メーカー各社からは、
「100kVクラスまで対応できる高電圧コネクタが見つからない」
「MOQの制約が厳しく、在庫リスクが大きい」
といったお悩みをよく伺います。
産業用コネクタ&コンポーネンツでは、高電圧専用設計の高電圧コネクタと、柔軟な供給体制により、同業他社様のこうした課題解決を数多く支援してきました。端子止めからの置き換え検討や、既存他社製コネクタからのリプレイスなど、「高電圧コネクタ」でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。今回の静電塗布装置メーカー様での採用事例のように、安全性・保守性・コストを同時に改善する最適なご提案をいたします
