

高度経済成長期以降、日本は人に依存した安全対策を続けてきました。日本では順守しなければ罰則があるような整合規格が存在するわけではありません。しかし、万が一危害が発生してしまった場合には人的被害、高額なコスト、裁判や起訴の法的制限、信頼の喪失によるビジネス機会の損失などの危険があり、企業イメージの低下や企業価値そのものに影響を与える可能性があります。
機械設備に起因する労働災害は、依然としてなくなることはなく、必要な対策を講じることは非常に重要です。人はミスをするものですし、機械は故障します。また絶対安全は存在しません。人がミスをしても事故に繋がらないような対策を機械が故障しても安全機能が継続し、受け入れ可能なリスクにまで、リスクを低減することが求められます。
リスク低減の考え方として、三原則があります。
・本質的安全の原則(危険源を除去する、または人に危害を与えない程度に低減する。)
・隔離の原則(人が機械の危険源に物理的に接近・接触できないようにする。)
・停止の原則(人が機械の危険源に接触する前に機械の危険源を停止することで危険源でなくなる。)
機械設備のリスクアセスメントはISO12100の内容と整合の取られた指針に基づき、実施することと決められています。リスクアセスメントは危険源を特定してリスクの大きさを評価することであり、リスク低減のプロセスと残留リスクを明確にし、記録することができます。欧州機械指令では、その記録をドキュメントとして保管することが義務付けられています。
機械安全の国際規格はA規格(基本安全規格)、B規格(グループ安全規格)、C規格(個別製品安全規格)の3つの階層で示されます。タイプ別安全規格の例は以下の通りです

ここではISO14119で記載される人が危険源に接近・接触できないようにするために使われるガードと共同するインターロック装置について紹介します。

・ガードとは

人から危険源を囲いガードで防護する目的で使用するものです。これと共同する形でインターロック装置が用いられます。
・インターロック装置

ガード(扉など)が閉まっていないと機械が動作しない、また動作中にガードが開くと機械が停止する仕組みを実現する装置です。安全スイッチが用いられます。
・無効化防止
優れた安全装置であっても、簡単に無効化されては意味がありません。ISO14119には無効化防止策に関して規定されています。例えば、高いところに設置したり、隠したりする必要があります。なお、高さに関する寸法規定や【隠す】の詳細定義は規格に記載がない為、監査側の人の主観に依存することに注意が必要です。